- さあ、これからが植物的になっていく季節 -








 近頃私は眠りながらの夢の中でも綴っているらしい。が、困った事に、それらは夜明けが伴う頃には忘れられているのだ。
 私はその夢の綴りの感触は憶えている。だが睡眠中、枕元にノートを添えてはいても、私の肉体は起動しない。それだけの、事である。


 マジェンタ色のセーターへのオブセッションもしばし終わろうとしている季節。


 アニスを奥歯で齧りながら、今日は、おやすみなさい。




 桜井李早