2015-01-01から1年間の記事一覧

球根の馬車

私には仕事納めも仕事始めもない。 昔、組織に勤務していた頃はそのような節を実感させられたようだがしかし、そこを出てからは自らの生物的な感が私を導く。 馭者のようにそれは現れ、今の季節なら球根の馬車に私を乗せ動き出す。 自由とは厳しい反面、指図…

林檎のような痣が...

気がつけば、右肩に小さな林檎くらいの大きさの痣がある。 ダルマさんがころんだ、いや、メリークリスマスなんだね。 昨日は久しぶりに発熱し、夜はお蕎麦屋さんへ。 それで、一足先に年を越した気分の今日、とある軒先にて、"ご自由に"、と、篭に入っていた…

「秋は人さらいのシーズン」- 桜井李早© 著書『YES』より

秋の黄昏時は、一年の中で、最も、妖しく、人をさらう。 秋は、人さらいのシーズン。さすらいでは、ない。人さらい、これが今の、私の旨。 春の夕刻は、甘い若葉の香りと、空から降りて来る無数の紫が交差し、蝶の出現を待つ植物的な私は微睡み、夢を愉しむ…

"木の枝が揺れ動く前に、上空にはすでに風がある......"

"木の枝が揺れ動く前に、上空にはすでに風がある。それと同じく、地上に戦いが行われる以前に、必ず天上で戦いが行われているはずだ " とは私の好きな英国の作家G.K.Chestertonの言葉であるが、 ダライ・ラマは最近、 "祈っても問題は解決しない"と発言した…

夕空

12月1日、午後、出かけた先から見た夕空。 少しの時が過ぎる間に、それは表情を変える。 私は先週と違う気持ちで今週を生きている。 一分、一秒さえ、同じ顔を持たない空の下。 ところで、ずっと私の住居の照明は全て白熱灯とキャンドルなのだ。 それが許さ…

- ジゼル、或いはオフィーリアのように、それもクリムトのパズル次第の私の人生 -

人が、時に生命を捧げるつもりで創作している姿など、確かに世界の崩壊に比べれば小さなことかもしれない。 だが創作者はその瞬間が一生のように研ぎすまされ、必死なのだ。 そこに世界の滅亡など入り込む隙はなく、その瞬間は永遠に近い。 誰がどうした何が…

11月9日 - 私の壁を私は未だ、壊せない

夕刻、しばらく時間がとまっていた。 眠っていたのではない、楽器を弾いていただけだ。 だが、眠りの中を歩いているような拍。 歩みにおいて、邪なものが入り込むと、途端に躓く。 躓くと、私は楽器に跪き、再び眠りの中で立ち上がり、歩く。 私はそれが、私…

冬支度

10月30日: 譜面起こし作業終了、早めの入浴後、昼に用意しておいた手弁当を食す。 蕪の糠漬けが美味しい季節、世間はカボチャらしいが私はカブが好みだ。 ハロウィン、祭り事が増えるのはいいだろう。 だが、心を仮装するは見せ掛けの悦楽とつき合うこと。 …

- それでもSNS信者になりたいですか? -

フェイスブックとツィッター、これは私の場合だが、 前者はとっても皆さん充実されている。 後者はとっても皆さんこの国に疑問を持つ。 フェイスブックでは皆仲良し。 ツィッターでは皆政治批判。 見知る人とはフェイスブック。 見知らぬ人とはツィッター。 …

- カルメン・マキさんの録音: 『デラシネ」そして『望みのない恋』-

カルメン・マキさんの録音が行われました。 私が楽曲提供させていただいた『デラシネ』と『望みのない恋』です。 『デラシネ』はマキさんの詩に曲をのせました。これはマキさんの言葉から私が勝手に想像する...あたかも白い夜着を纏って暗い世界に立つ少女の…

牛肉のビール煮

今日はJohn Lennonのお誕生日ですね。 私はというと、昨日から体調不良でまるで熱のある人のように。 で、今日は昨夜残したビールを使って牛の煮込み料理を。 表面をよく焼いた牛肉とブイヨン、ビールを注いでコトコト4時間程。 ナイフ要らずの柔らかシチュ…

triste...或いは接吻しましょうか...

昨夜午前2時過ぎ、私の眠る部屋の窓に月が顔を出していた。 寝台に横たわるとそれは正面にあり、妻の為に落ちぶれていく男の物語を読んでいた私は月とにらめっこを始めた。 勝ったのは私。 月は時々黒い雲に覆われ苦笑いをしたからだ。 今、外では風が騒ぎ、…

あやかし、のごとく...

「あの乱闘の中にいた170センチくらいの見知らぬ男とはわたくしです」 と言いたいところであるが生憎、 この私は女であり身長は158センチである。 だが、変装していたとしたら、 或いは、この私が、怪盗であれば、 更には、あやかしであれば、 ほほほと微笑…

アジールにて / 2015年秋

静かな夜が理想的だ。 真夜中過ぎにもの言うものは、あやかしだろう。 それは黒い穴、黒い口となる。 だがどんな時刻場所においても、世間を歩く時、私は無頼だ。 それで、私はアジールを必要とするのだが、 私は朝に最初の呪文を唱える人を信じたい。 雨は…

つるべ落とし

pic1: 週末、いただいた吉祥寺"中清"のとろろ蕎麦、大変美味。 pic2&3: 今宵、塩麹漬け鶏胸肉と馬鈴薯のオーブン焼き、シシトウとジャコ炒め、香ばしく料理す。 とはいえ、食後、消化するのに疲れる今年の秋。 桜井李早

- デラシネ -

カルメン・マキさんとわたくし李早、「デラシネ」「望みのない恋」の歌手と作曲家でございます。 8月18日の夕べ、宅にて、ほろ酔いでございます :*) 李早

『天守物語』...泉鏡花と金子國義による響宴 

急逝された金子國義氏の作品たちと共に著された、泉鏡花『天守物語』。 8月、立秋の近づく頃、この美しい書物を、編輯された小説家の津原泰水氏より賜った。 酷熱と喧噪の世から離れ、幽玄に浸ってみるのもいい。 桜井李早

vagabond

一日がひく頃はバガボンドのようだ 徒で夜回り、どこかから帰るでなく ちょいと煙草など買うつもりでふらりと出る夏の夜更けだが 虫の音に、ああひとりではないのだと、笑った が、突然心臓麻痺を起こした我が車は哀れでしかたない ヒトよりメカは落ちがはや…

8月13日 - 日記のようなもの

2011年の震災の一週間後、私は成田からパリへ向かった。 それは大変な道中だったのだが予め予定されていたのであえてキャンセルはしなかった。 が、あの頃私が東京にいたら私のような者は今、生きていられないだろうと思う。 それでもフランス到着後、私は身…

8月12日、"想う"

さて、先程、今日の分の歌録、終了。 力強く歌ったのだ、36キロが歌っているにしては、強いと、今日はあえて自分を褒める、だが、次の録りはより情感豊かになるだろう。 そして私は30分後、日航機123便の犠牲者の魂たちに黙祷する。 ...何故、墜落を確認した…

「きのこ雲の下で何が起きていたのか」

叩かれまくっているNHKだが、このような番組も作ったようだ、静かに、私は動画で観た。 「きのこ雲の下で何が起きていたのか」..."What happened under the mushroom cloud"とでも言おうか... https://www.youtube.com/watch?v=e7aSGobYl30&feature=youtu.be…

ロ短調ミサに捧ぐ

午後、車を少し走らせればスピーカーからBach、"h-moll Messe/ロ短調ミサ"が流れ出した。この壮大な作品の合唱を歌ったのは大学時代、NHK交響楽団の演奏と共にだったが、あれはオットマール・スウィトナーによる指揮だったかウォルフガング・サヴァリッシュ…

全ての道はローマへ通ず/或いは『シンベリン』

シェイクスピアの戯曲に『シンベリン』という作品がある。これは紀元10年頃ブリテン島(グレートブリテン王国の前身)を治めたクノベリン王を物語化したものらしいが、この時代のブリタニアはシーザー率いるローマ人に侵入されその支配下にあった。 英国へ行け…

蚊帳の中...

さあ、そろそろ電力を落とし、キャンドルに変える時刻だ。 窓から流れ込んでくる夜風も、幾分、涼しく感じる。 昔、祖父母の家、蚊帳をつる夜、灯りも暗くし、怪談話など。 祖父母はもはや他界したが、孫の人生の中に再び戦争を危ぶむ時代が来るとは、思いも…

海南鶏飯/ハイナンジーファンと最近のつぶやき

連日の暑さでボーッとして食欲も失せたので、先日、海南鶏飯/ハイナンジーファンを作った。 シンガポールのチキンライス。 やはり湿度が高く暑い時期はアジア料理がよい。 茹で鶏とその出汁で炊いたご飯、添えた鶏が少なく見えるのはビールのおつまみにして…

原子のように活発に

今日は流石に夕刻、エアコンをonにした。Macのdownがここ数日続いていたのだ。そして私はその時刻、料理もする。 昔に比べると夏が暑くなったと皆感じているだろう。だが、室外機がこれほど例えば東京を考えてあらゆる所に存在している以上、それは暑いだろ…

応えは風の中にあるか

7月14日、暑く暑く風のとてもとても強い日だった。 さあ、夜が明けたら、どうだろう。 応えは、風の中にあるだろうか。 「採決強行しても3連休を挟めば週明けには空気が和らぐ」と、国民は3日の休暇で忘れるあたかもニワトリのように解釈されているらしいが…

「桜井トリオ」/ 黄色いズッキーニの糠漬け&トマトのお味噌汁

今日はよく仕事をした。 昨晩は「桜井トリオ - 桜井芳樹(g)、船戸博史(b)、北山ゆう子(ds)」の素晴らしい演奏を鑑賞しに阿佐ヶ谷SOUL玉TOKYOへ。 "Some happy day"など、ロンサムとはまた異なるアジな演奏は見ごたえがある。この度2度目の「桜井トリオ」のラ…

これでは女神たち、地母神たちの怒りにふれることだろう

世界はわざわざ金をかけて廃墟を造る事に関心を持つ癖がついた。 それを誘導してきたのはevils、可愛げもなくdevilより手強い喝上げ野郎どもだ。 奴らの狙いは悉く文明を破壊する事。 将来、皮肉にもこのような土地を世界の遺産としたいと呼びかける時がある…

生きるなら棘のあるものになればいいではないか、時にそれはシンプルだ

私はこの映画を観ていないが、そしていつか観る時があるかどうかもわからんが... この曲はいいね… https://www.youtube.com/watch?v=7Qn3tel9FWU '70年代初頭、ザワザワしていた時代、はやく大人になりたかった我が少女時代。 そして50も過ぎた今、それが色…