孤鄰亭にて



 9月27日、銀座は奥野ビル、"孤鄰亭"に遊ばせていただきました。
 11月14日から日立市"詩穂音"で開催される画家、Painter Kuro氏の働きかけによる「21世紀騎手とvoix du soir〜桜井季早との共有」の打ち合わせを兼ねてKuroさんのご案内のもと、"孤鄰亭"のオーナーである非常にダンディーな和泉昇さんともお会いし、実に愉しいひと時を過ごしてまいりました。


 ここでひとつ、Painter Kuro氏について、今回のFlierからのプロフールをここにご紹介させてください。


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 KURO/Painter Kuro プロフィール :


 美術にとどまらず、他業界とのコラボを積極的に展開している。
 ファッションにおいては、大阪コレクション、ソウルコレクションの日下訓志(ビタミンパワーズファクトリー)と、洋服、バッグ等の共同開発。また舞台では、水戸黄門の監督を始め時代劇の著名な監督、井上泰治監督の舞台「元禄ヨシワラ心中」にてロビー展示を担当した。美術においては、堂免修との二人展(K'sギャラリー世代を超えた二人展Vol.2)や、第8回未来抽象芸術展参加。国内外個展多数。


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 と、このような経歴をお持ちのKuro氏は、私/Risa、名付けて、"21世紀騎手"のアーティストさまなのであります。
 彼は私の著書『YES』に綴られている文章を読んでくださり、それらを元に絵を描いてくださっています。
 それは私にとってとても有り難い事。
 何故というに、これまで、私の綴る世界に、突然、炎のごとく飛び込んで来てくださった方は、氏が最初の日本人と言って過言ではないからです。
 私はKuro氏に応えなければならないと感じました。
 それは、単なるお返事ではなく、以下に示した私からの言葉によって…




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 心に飛び込んできた凄まじい印象が鑑賞を自由にし、私たちが生きているその瞬間を一時縛りはするが、それは作家という生き方を選んだ者にとっては、動物的な感覚の一部を使った作業に過ぎない。
 だが、どうだろう? その作業を行う作家という生き物は、あらゆる事柄に縛られることを嫌い、例えば、"名"という固有さえ明らかにしない心づもりを持つことで他者から<占拠>される必然を自ら守る術を知っている。これが恐らく、Kuro氏と李早の持つ<共有>の理由の"ひとつ"なのではないかと思う。私は運命論者ではないが、時に私は絵の中にいる。


     by Risa Sakurai / 桜井李早


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 この9月末の晩、私はフランスから帰国したばかりだったにもかかわらず、タフであり、何かせずにはいられないような気持ちが手伝い、また、この夜は東京の、銀座という街に古くから在り、歴史を感じさせる奥野ビルでの最後の"孤鄰亭"の<時>だったのでした。
 が、"孤鄰亭"は、10月より改めて銀座の街に咲いております。


 その晩、私が思った事…私は女として、ずっと、在った。
 が、少し年を重ねてきて思うに…それはどなたかがちょっと前に語っていらした事に似ていて…


 私という女の存在が、いつしか、人間という存在に在りつつ、生きる事ができつつある…


 そういうことだろうか。




 この展覧会についてのご案内は、また後ほど、改めて追って、アップさせていただきますね。
 どうぞ、よろしくお願いいたします。






 picは画家/小峰力氏がオーナーであられる日立市"詩穂音"での展覧会のFlier… "孤鄰亭"でのKuro氏とRisa、和泉氏とRisa...























 Risa Sakurai / 桜井李早