開けて7日の時が過ぎ



 さて、『YES』のための締め切りがだんだんと近づきつつある昨今。

 1月7日、食事をしながら、チェ・ゲバラのことを話す。

 私がゲバラに関心を持ったのは、高校2年生の時だった。
 世界史の授業を受け持つ教師が熱っぽく語ってくれたチェ・ゲバラ
 以前もここに綴ったが、私は世界史が大変好きで、その男性教師の話しを毎回楽しく拝聴していた。答案用紙が戻ってくると、「good!」と書かれていたことを思い出す。
 私は彼が「読んでごらんなさい」と教室で紹介してくれた書物はほとんど購入した。その中に、『ゲバラ日記』があった。
 多感な思春期ゆえに、ひとりの革命家の人生に興味を持った。

 あの熱情家(若白髪の人であったが)で登山を愛好した社会科の先生も、そろそろ引退なさらなければならない頃だろうか。


 ゲバラの最期の言葉・・・

「落ち着きなさい。狙いをしっかり定めなさい。あなたはこれから、ひとりの人間を殺そうとしている」

 自分を銃殺する役目を与えられた者に向かって、彼はこのように言ったという。

 私は、ゲバラという医師であり革命家である人物に、芸術家に似た精神を感じたことを記憶している。

 そのゲバラのことを、「最も完璧な人間」と呼んだのはサルトルであったという。
 そして、「世界で一番カッコいい(クールという科白ではないかしら)人間」と、語ったのはジョン・レノンであったという。
 サルトルはともかく(高校時代の私は一時だけサルトルを尊敬したような気がするが・・・)、ジョン・レノンの感覚は、私の野生に響くシンプルな言い方。

 そんな私が常に思うことは・・・

 芸術家という存在は、世界中で最も愛される存在だが、最も理解されにくい存在でもある・・・ということ。


 英国の誇る、ウェッジウッドが破綻したという。
 あの美しいブルーの陶器で有名だが、250年程前、あの技術が西洋で開発されるまでには、相当な時間と情熱が要されたのである。
 ・・・東洋の焼き物に負けない美を如何に創り出すか・・・
 単なる贅沢とは言えないのである。
 美、である。

 
 美しき精神と情熱には、砦は、無い。


 しかしながら、美と商業(資本)、平和と政治・・・
 それらの相互の理解は、難しい関係にある。


 少々野暮ったいもの言いだが、人間とは、両立を求めながらも、相反する行為に対しての防ぎ方が下手な動物なのだろう。
 より良くするために、大事なものを(誤って)葬ってしまったりするのも、人間。
 共存の歴史を混乱させ、生態系を崩してしまいそうな時代を作ってしまうのも、人間。


 この地球上に、不毛な場所は、どこにも無い、と、言いたい、開けて7日。


 PEACE & LOVE