英雄考



 書物の中の或る人が教えてくれた。
「勝利とは、自分を見出すこと」・・・と。
 thanks・・・そして、それをするためには、失敗を怖がってはいけないわね。

 ここで、私は、あなたにお話したくなった、こんな風に・・・

 将棋の駒を置くように、私は情熱にひとつの定義を与えてみる。
 何、それはとてもシンプルな言葉で済まされるわ。
 ・・・傷つくことを恐れない。
 
 同様にして、愛のためにひとつの定義を置いてみる。
 こちらは神秘の駒かもしれない、或は無垢の根源に繋がる言葉。
 ・・・完全なる自己放棄。



 私のヒーローを古い順に考える・・・アルセーヌ・リュパンモンテクリスト伯爵、レノン・・・・・・

 だが、今日、書物の中で私に語ってくれたのは、女性。
 孤独なヒロインである。
 孤独だが、彼女は英雄の魂を抱いている。
 大胆で、我が儘で、自由で、魔性を秘めている。
 私が彼女に会いたくなる時、それは私が運命に思いを馳せようとしたい時。
 フランスには、何人ものジャンヌ・ダルクの生まれ変わりがいるのだろうか?
 私にとっての、ジョルジュ・サンドマルグリット・ユルスナールコレット・・・そして、彼女・・・の、ような。


 物語を語るには少しの時間で足りるが、道のりを行くためには、多くの時間がかかる。


 さあ、未来の中に、潜り込もう。