Tokyo Billboard/バンドネオンの夜

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 6月14日日曜日、さて、何から書けばいいかしら? そう、前日に引き続き、腰痛のチェリーである。

 この日の現場は、六本木ミッドタウン、Tokyo Billboardバンドネオン奏者小松亮太氏のライヴ。ゲストにはsaxの須川展也さん。

 入り時間は午前11時。もう、助手席シートを倒して乗っていられる状態ではない彼は、後部座席にて横になっている。振動さえ痛みに繋がるらしく、できるだけ穏やかに運転するdriver-Risa。
 あまりすっきりしないお天気ではあるが、朝の光はフロントガラス越しに眩しい。杉並は環八前から脇道に入り、井の頭通りに出る。その後甲州をほんの少し走り中野通りから原宿方面、そして、青山墓地内を通り抜け、乃木坂へ。
 本番前のリハーサルはすぐに始まった。入れ替え制の2ステージである。大丈夫か、チェリー・・・というのも、この日、彼はもはやまともに座ることすらできない状態。私はといえば、時間の感覚がなくなってくる。

 最初のステージが始まったのは、16時半。満席である。ステージの後ろはガラス張りの大窓となっていて、何やらホテルの結婚式を行う会場を思わせる。窓越しに見えるのは大日本帝国は港区の高層ビルの景色。その窓も、本番が始まる頃、黒い遮音カーテンで覆われる。何となく客席をウロウロしたり、ゆったりした楽屋を独占した気分でモニターを眺めたりしていたのだが、この夕刻の客層はどこか柔和な雰囲気にある。
 19時半からの2ステージ目は、なにげに客層も変わる。この時、僅かなスペースもあったので、私は客席にて、じっくり演奏を鑑賞させていただいた。
 何といっても、小松亮太君のタンゴに架ける橋は情熱の橋であり、この十数年に渡る彼のタレントぶりには感動するのであるが、ここで、ちょっと、身内意識で語らせていただけるなら、この日の演奏者には、我が"lonesomestrings"のメンバーが2名、参加していたということか・・・そう、ベーシストの松永孝義氏&桜井芳樹(チェリー)である。
 チェリーは立ち姿のまま演奏していた。赤いマーチンのエレキで彼が立ったまま演奏することは、実は近頃少ないのだが、その姿勢、なかなか潔かった。
 そして、グワッと心動かされたのは、松永さんの演奏・・・カッコイイ・・・氏は、タンゴのお仕事の長いキャリアを持っておられるが(私の先輩でもある松永さんがタンゴを演奏されていることは、私は学生時代からうかがっていたのである)、何だろう・・・生き物のような音なのである。しかも、氏の表情に浮かぶのは、氏が音楽に<完全>にのめり込み、解放と束縛を甘んじて受け入れ、そこで勝負しているような至福の微笑みなのである。
 勿論、亮太君のバンドネオンの技は素晴しく、意識の高さを実感させられる。彼は、失敗などという言葉を持ち合わせない人だろう。彼においては、演奏とは、常に、いつも、必ず、ベストを演じることであり、そのプロ意識を愉しむ姿勢なくして、現場は無い、と、いうことだろう。
 ゲストの須川さんは爽やかな雰囲気の方であるが、演奏される音は艶やかで、かつ、熱いものを感じさせてくださるパフーマー・・・音色の美しさに、サキソフォーンという楽器がこの人間の世界において何故作られ、愛され続けたかをつくづく納得させていただいた。
 また、このライヴでのドラムスを担当された佐竹さんとパーカッションの小林さん、おふたりも、私の母校の卒業の方々・・・懐かしいお話などしばしさせていただき、楽しかった。
 ヴァイオリンの近藤譲は、兄妹のごとく、チェリーの腰を心配してくださり、ありがとうございます!

 帰りは乃木坂より外苑西から新宿通り、そして青梅街道。
 チェリーはほっとしたのか、時折眠っていた。


 で、月曜日、一度緩和されたかと思った彼の腰は、更に悪化。
 巌窟王は、医者を嫌う。これは、私も同様のことなのであるが、立場が自分でないと、おいそれと眠ってもいられない。
 いよいよ辛くなったか桜井芳樹、火曜日、病院へ(連れていったわよ!)。
 おかげで、だいぶ楽になったようである。だが、しばらく、お酒の方は、どうかしらん?
 ・・・そんなこんなの6月中旬、昨年の今頃は、私が原因不明の高熱で倒れていたっけ・・・。


 そうして私、今、7月から新たに或るサイトに連載を書く予定が入っている。
 

 LOVE & LIGHT


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