薔薇と白桃

 薔薇の香りがほんのり散らされた乳白色のバスタブ、
 私は肩までお湯の中に浸かり、
 両足をクロスする。

 

 私の身体は白い小さな池の中に隠れているが、
 指はピアノのキーに触れるようにその中で動く。
 記憶された音を辿るように。



 やがて私は右足の膝に爪を当て、
 悪戯に、しかし、やさしくひっかく。
 ほんの少し、自分をいじめるために、または、確かめるために。


 
 そっと右膝だけ、乳白色の池からのぞかせる。 
 するとそれは、ピンク色の斑模様に染められた、
 平和な白桃のよう。
 


 その白桃の膝頭を私は齧りたくなる。
 首を白鳥のように傾けて、
 薔薇の香りの池に浮かぶ私の白桃を。



 to hold my truth in my mind surely
 its not a farce at all
 at last, i kiss floating white-peach on rose water...




 ..* Risa's *¨ 1/17 2010