レンズ豆のスープ



 悲しいことだが、また知人の訃報を知った11月21日である。その人は録音エンジニアとして長いキャリアを持ち、長い髪、真冬でもTシャツで過ごす人だった。2011年3月11日の東日本大震災後、度々福島を訪れてはボランティア活動をされている人でもあった。その人と最後にお会いしたのは数年前の下北沢leteだった。謹んでご冥福をお祈りいたします。






 




 近頃は一時期の寒さの日々に比べればとても過ごしやすいが、今日はフランスで購入した
オレンジ色のレンズ豆(lentil)を使ったスープを作った。
 レンズ豆には幾つかの色のものがあるが、茶色いレンズ豆は日本の小豆を思わせる、ややふくよかな味わいだが、オレンジ色の豆はどちらかというとあっさりしていているかしら。
 ローレルとともに玉葱をバターで炒め、そこに擦りおろしたニンジン、小さめに切ったジャガイモ、レンズ豆を入れ、ブイヨンでコトコトと煮込むだけで、とてもとても優しいスープができあがる。好みでガーリックやショウガを入れたり、ハムやベーコンを入れるのもよい。
 私の今日のスープなど、ニンジンは擦りおろしてあるし、ジャガイモは煮込まれているうちに柔らかくなったところを"おたま"でそっとつぶしていく。結果、ペーストのような"とろみ"がつく。
 その"とろみ"が、いただいた時に、ほっとするような心地よさを与えてくれる。
 このスープをソースとして調理したお魚などに添えていただくのもいい。
 私はこのスープにディルを振りかけて今、いただいている。レッドアイとともに。
 ...この写真のグラスはバカラ(Baccarat)のグラスなのだが、この一週間の間にグラスのふちが知らぬ間に欠けていた。ご存知のようにとても質感があり、重い。私の手に近頃、若干の不都合があるためなのかどうか...それでもこのどっしりした圧力は、グラスを持つたびに或る刺激を私に与える。

 
 このレンズ豆はたいへん栄養価が高く、豊富なタンパク質量でありながら、脂質はゼロであり、食物繊維、そしてビタミンB群がたくさん含まれている。
 中でもレンズ豆には葉酸の含有量が多く、この葉酸とは、ほとんどの癌への抵抗力、中でも、今、増えている、染色体の損傷に寄る前立腺癌の予防にも効果が高いといわれているらしい。
 そして、アルコールを飲む人にとってはレバーや緑黄色野菜などと同様の効果があり、女性という意味では(女性の赤血球の量は男性のそれに比べると少ないといわれているが)、貧血予防、特に妊娠している女性にとって不可欠な成分である。当然、美肌効果もある。



 
 しかし不思議だ、アルコールは、酔いをさまさせる、と、或るフランスの女性作家は言ったが、私も、時に、似た具合になる。


 それはレンズ豆効果かしら… 
 麦とお豆は相性がいいのかしらね?

 




 Risa :*)