或る秋の朝



 曇りの朝は、外の音がよく聞こえる。静まった家の中を裸足で階下へ。
 まだ白い夜着のまま珈琲を飲みながら、魂が戻ってきたな、と微笑む。いや私の魂がどこかの世界へ向かうのか。
 妖精を確かに感じる秋、朝も昼も夜も。私はこの季節が好きだ。
 10月も、11月も、このように、穏やかに、そして冬の暗さに守られる12月も、このように、魂とともに。









 李早