- それをと言うなら、首相には果たすべきがあるだろう -



 それはつまり、二人の日本人が長い間イスラーム国を名乗る過激派組織に人質とされていて、殺害されてしまったという事は、この安倍内閣は失敗したわけである。そうなると、内閣総辞職があって当然とすら思う。
 その上、自衛隊を派遣するとかテロと闘うというような子供の戦争ごっこのような発想のこの国の首相である。そうなると、私たちは政府に疑問を持って当然なのである。その疑問は実際、子供も持っているだろう。
 この内閣に国を任せておくという事は、この国のデモクラシーとは、些か曖昧で未熟だという印象、そればかりでなく、これは独裁の道を進もうとさえしているように見えてくる人々が多いはずである。

 
 また、自己責任という言葉について、私は思うが、日本人は責任のことばかり問題にして解決の術を後回しにする癖があるように感じる。失敗しても反省しない者がいくら先に進もうとしても同じような事を繰り返す。それは安倍首相にも言えてくる事で、氏がこの度の事を反省しない限り、同様の事が起り、いつも「テロと闘う、赦さない」と言う事で犠牲者が出る。
 どこかで目にしたが、「あんな危ない国に行くから捕われる」というような事を言う人があったようだが、どんな国に行こうとも、日本より危ないのである。米国、英国、仏蘭西、独逸…このあたりの国々も、国内でテロや爆弾事件があるわけで、決して中東や阿弗利加の国々だけではない。仮に、あなたの子供が米国か西洋を観光していて、もしくは滞在していて、ふつうに電車に乗り、テロに遭遇したり、拉致されたら、あなたはそれを子供の不始末と言うだろうか? 北朝鮮に拉致された日本人は、日本にあって拉致されたり、西洋で拉致されている。それを自己責任と呼べるだろうか? 学校帰りに誘拐された少女を彼女の自己責任、或は彼女の両親の責任と呼べるだろうか? そうなると、人々は家から一歩も出ることはできなくなる。それでも災害が起こり、家から出られなくなったり、自宅が破壊された事を自己責任と言うなら、それはそのような考え方の人で、それは少ないだろうと仮定する。


 日本では20年程前、オウム真理教によるテロ行為があり、皆、驚き、確かに今日も気をつけているかもしれないが、この後は外からやってくるテロリストにも気を配ってそこいらを歩く必要が更に増えたのである。
 そのような危険を招き入れたのは、安倍首相に責任があるという意見を私も持つが、それが氏の自己責任かどうかについては筋が違う。氏は一国の首相なのである。
 氏はそういう意味で、首相としての任務がある。
 その任務における、国民の生命を救うという仕事が果たせないのであれば、これは責任者として相応しくないだろう。




 桜井李早 



 
 追記:
 以下のリンクは、BBCが、この度の後藤さんのお兄さまのコメントに自己責任や日本人らしさを感じると報道した事についての記事です。


 http://illcomm.exblog.jp/21523418/