8月に感謝をこめて



 7時起床、洗濯掃除を終え冷蔵庫を開ければ昨夜遅く家人が残したとおぼしき気の抜けたビールとご挨拶。
 従ってその残りビールを無駄にしない責任感を背負い、イワシのパテ&ハム&レタスのサンドウィッチを詩的労働者としてビートルズを聴きながらいただくHump Day。
 悪く思わないでね。

 
 人生を十分に生きようと願い、できればそれを楽しみ、現われては過ぎていくことを自分の感覚を交えて留めておくために、わたしは時に、無頼であらなければならない。
 そしてわたしがチョーカーやネックレスを首にするのは、わたしを虜にするものに支配される必要があるからかもしれない、その役割は首輪だ。
「そういう生き方をしていると、あなたが願うものに行き届かなかった時、絶望し、死んでしまうかもしれませんよ」と言う人もあるだろう。

 
 だが、どのように生きようとも、人生においては安全なドライヴが保証されているとは限らない。
 特に、今のような時代になってみると…









 台風の通り過ぎた8月31日、晩餐はオリーヴオイルでカリッと仕上がった焼きカツ、ペンネを添えて。カニワと共に炊いたご飯、パプリカとクミンを効かせた野菜とキヌアのスープ。
 そういえば、家人が仕事でスペインに出かけたのは11年前の8月の終わりの頃だった。
 荷が重くなるのを好まない人なので、瓶のものなど滅多に土産にしないのだが、マヨルカ島で土地のオリーヴオイルを購入して帰ってきたことを思い出した。
 あのマヨルカ島のオリーヴオイルは素晴らしかった。


 今年もまた、夏の思い出が増えた。


 8月に感謝をこめて 




 桜井李早