"Parcae/パルカエ"








 珊瑚礁のような私の遊び場を引き離さないでください、と、ローヴを解き放ち、しかしそれもつかの間、少し落ちついて、鏡を差し出し、そこに映る人がやや顎を突き出すように物言う姿は、私の苛立ちと同じ時にやってきて、数秒後に去る。
 私は私の足の裏が鎖に引きずられようとも傷つかない事を、知った。


 柘榴のように私は心が熟れると道ばたに落ちます、と、骰子を投げ、しかしそれもつかの間、囮のように、臥所に入る支度をし、ここに在る拳ほどの心臓が奏でる音を逆立てようとするのだが、それはとても遅く一刻一刻を刻み、堆肥のように積る。
 私は私の琴の弦が血の色をした太陽に似ている事を、知った。




 桜井李早©