納豆と赤ワイン








 ワイン、特に赤ワインと一緒にいただく肴として、納豆は向かないと感じていらっしゃる方は多いかもしれません。でも、チーズとワインの組み合わせならお好きな方も多いでしょう。そして納豆もチーズも同じ醗酵物。そこで発想いたします…チーズ…あの、オランダ産の"ゴーダ・クミン"。
 以前から私は"ゴーダ・クミン"が好きで、しかもこのチーズ、西洋では割とお安い部類なので、赤ワインの友としたりサンドウィッチでいただいておりました。
 それで考えた、この納豆のレシピ…いいえ、それはレシピと言う程もない調理ではありますが、何事においてもマイノリティーな私は、以下のようにして、納豆を赤ワインの友としております。




 1: 納豆(1パック分)をよ〜く、かき混ぜる(魯山人のように数百回、混ぜる必要はなくとも…)
 2: 塩レモンを親指の爪程、入れる(瓶詰めで売っているものでよいと思います)
 3: その状態で更にかき混ぜる。
 4: マヨネーズを茶匙1程(お好みの量を、どうぞ…)
 5: 更にかき混ぜる。
 6: クミン・シード(パウダーはお薦めしません)をお好みで入れる。
 7: 更にかき混ぜる。
 8: 出汁醤油(我が家は"ヤマコノ"さんという岐阜県のお味噌醸造会社のものを使用) をいれる。
 9: 更にかき混ぜる(魯山人のようにここからも念を入れて混ぜる必要もないと思います)。




 以上ですが、私は酸っぱいもの好きなので、最後にレモン汁をおまけにふりかけます。
 家庭での酒の肴とは、さっと仕上がる事が有り難く、何故ならそれは人ははやくお酒と戯れたいからでしょう。
 そして、私のように、身体の"肝腎"が弱い者は、それなりの肴を、それなりの量でいただく事が必要で、チーズでなければ同様の効果のある日本の醗酵物、まさに、納豆は素晴らしい食品です。ですが、心臓に問題のある方は納豆は控えてくださいね。


 上の納豆メニューに加えた塩レモンも、昨年から日本で人気の食品ですね。タジン鍋発祥のモロッコの伝統的食品ということですが、モロッコ出身の仏蘭西人のお宅に招かれた時、私がいただいたタジン鍋はミートボールとトマトを基本としたもので、レモンは入っておりませんでした。
 むしろこの塩レモンに似た効果を感じた仏蘭西のお料理としては、アルザス地方でポピュラーな"シュークルート"に感じます。ソーセージとキャベツ、そこにレモンのスライスを使ったシンプルな煮込み料理で、独逸から伝わったものですね。アルザス仏蘭西と独逸の狭間を辿る歴史的な場所でしたから…。


 と、お話は脱線してしまいましたが、これ、ちょっと試してみたいと、「あえて」、思う方には、この私の納豆と赤ワインのいただき方、お薦めです。
 お口に合われなかった場合の保証も、致しかねますので、あしからず。
 何と言っても、納豆のみならず、ワインも含め、相手はほぼ、醗酵物なのですもの。


 そして、こちらが我が家の大好きな"ヤマコノ"のホームページ http://yamakono.co.jp/ 




 それは今宵の事。
 日曜日は市場へは出かけず、宅にて思考いたします。
 夕刻からのお酒は、無し。
 月曜日は仕事で北海道へ出ている宅のギタリストが帰宅するまで、食を断って筆を進める所存。






 李早