欲望
もの凄く、欲しいものが、現れた。
たぶん、以前から欲しかったのかもしれないが、あまり深く考えようとしなかっただけなのだろう。
ところが、一昨日前あたりから、欲しい。
今、この長い太陽の帯を撫でるようにして暮れていく昼間を想いながら、私、手に入れたいと感じる欲望の対象を針で刺した。
・・・本当に好きなのは、あなたではない。
だが、あなたという印を手に入れることも、興味深い。
・・・私が本当に好きなのは、今日のような、晴れた日に、裸足で床をステップすること・・・早起きして、夏の気配に胸を踊らせること・・・庭を飛びまわること・・・絵日記を書くこと・・・夕刻にピアノを弾くこと・・・カレーライスをお代わりすること・・・そして、???
そのようなことを得るためにも、或るものが欲しい。
欲しいからには、手に入れることを目的に暮らす。
窓を開け、誰にでも会えるように、訪れるものを拒まない。
まだ、日は落ちない。
愛すべき黒ユリに訊ねた。
・・・私にできるかしら?
黒ユリはあっさり言うわ。
・・・できるだろう。
そこで、あなたの声に従って、私はあのものを、得る。
武士(つわもの)にならなければいけないわね。
ようこそ、欲望。
週末、ボヤボヤしていたら、この欲望は、オジャンになるだろう。
私が描く世界の鍵を握るのは、あなたの魂!
なんて、ちょっと、passionなvoix du soir・・・
こういうことを私が書くと、"引きたくなる"方が多いことは、十分解っている。
よって、ご容赦くださいね。
でも、私は私なの。
知らぬフリ、していることは嫌い。
でね・・・知らぬフリをしている人間こそ、そんなことしているうちに、「本当の事を知る」チャンスを見失ってしまうもの。
知っていると自負していたことは、実はもう、過ぎ去ったことで、人は、どんどん、進んでいるの。
フィールドなのよ、この世界は。
いつもの場所にいても、人生は列車のごとく、動いているわ。
乗り遅れてばかりの私は、ひとつの林檎になって、揺られる、この先。
この先?
今は、さしあたり、その欲しいものを手に入れるべき。
しかめっ面の美しい顔、それは、欲望。
..* Risa *¨