蚊帳の中...



 さあ、そろそろ電力を落とし、キャンドルに変える時刻だ。
 窓から流れ込んでくる夜風も、幾分、涼しく感じる。


 昔、祖父母の家、蚊帳をつる夜、灯りも暗くし、怪談話など。


 祖父母はもはや他界したが、孫の人生の中に再び戦争を危ぶむ時代が来るとは、思いもしなかったであろう...




 李早