お漬け物の味








 数日前に糠床を作り始めたのですが、まだ捨て漬け状態。
 よってヨーグルトとお味噌で漬けたキュウリと人参で今、ビールを少々。
 塩は入れてございません、ヨーグルトとお味噌半々の量を混ぜて野菜をジップロックに入れて待つだけ。
 とっても美味しいお漬け物の出来上がり!


 結局、乳酸菌なのですよね、糠もヨーグルトも。
 そして、ヨーグルトの酸味とお味噌の塩分でしっかりお漬け物の味となるのです。
 市販の浅漬けのもとなど、要りません。
 市販品を使わないとしても、そもそも、浅漬けは糠漬けと異なり、時間が経つと腐敗しやすいですしね。


 私の実家では昔、母が毎日、糠漬けを食卓に置いておりました。
 そして叔母たちも、それぞれ自分で漬けたお漬け物を持ち寄ってくれて、皆でそれぞれのお漬け物を愉しんだものでした。
 特に、暮れが近くなる頃は大根を漬け、「今年はこんな試みをした」とか何とか言いながら、交換し合って味わいました。


 私にはそこまでできるかどうか解りませんが、人生50を過ぎ、何か、ちょっと、育ててみたくもなり(笑)。
 ですが、私の糠床は壷ではなく大きめのタッパーです。
 冷蔵庫にも保管できるようにと思い、そのようにしましたが、台所の気温の様子をみながら、臨機応変に、長続きする事を目指し、手がけていこうと思います。


 最初に糠をボールに入れ、冷ました塩水を足しながら、手で捏ねていく過程で感じた糠の温もりと香りは素敵でした。
 本当に、心が柔らかく、優しくなっていくのね...
「美味しくな〜れ、美味しくな〜れ...」と、呼びかけながら...
「よろしくね、よろしくね...」と、ご挨拶しながら...


 しいていえば、宅のギタリストがお漬け物をあまり食べない事です。
 納豆も、嘗める程度、お酒のみのように思われているようですが––––厚揚げだけは毎日でもよいようです。
 でも、これからは、糠漬け、押し付けようと、策略中です。


 それにしても、ああ、自分の事だけに費やす時間を維持するのは難しいですね。
 主婦は朝からあれこれ... 
 時々、
「李早、ご飯ができましたよ、はやく来ないと冷めますよ!」とか、
「たまには洗濯やトイレ掃除くらいして!」とか、
 誰かに言われてみたいものです...


 が、生活人である事がまず、大事。
「お手伝いをしない人は、決して、佳い作品は作れない」 


 これが私の22歳を過ぎた時からのモットーですから。



 李早